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SPACE-U

山田 稔 パフォーマンス

三編の詩を朗読する。参観者は山田から
手渡されたお面をかぶっている。

 

潮風に汚れはてた目の前の渡ったことがあるその橋が昔、何色をしていたのかまでは忘れたが 私たちは橋を渡るあいだ離れたまま歩いたことを覚えていたので橋の色を思い出してみようと今も又同じように別れて橋を渡っている

拾った石で海老色の橋の欄干を叩きながら耳元で鳴る風になぶられた髪を余りの手でおさえつけ私たちの発する音が時たま風を断つように一時に重なると、おたがい喜びを隠しきれないまなざしをぶつけあいながら

橋のなかほどは両岸を結ぶ最短距離の直線から30メートルほど流れ、海に向って迫り出している ひとりづつそこにさしかかると「私たち」の名付けた橋の名を繰り返し叫び、決しておたがいの顔を見つけぬようにしながら !!!と海に石を棄ててゆく

私たちは岸にあがって記念写真を撮る事になった。橋の色は思い出せぬままひと塊になりフラッシュの閃光を待ちながら大きな魚の腹のような雲が静かに海へ落ちてゆくのを眺めていた

 

水子

川の同じ音が
前世からも鳴っています
今は水子です
水密の体を裂いて脳を見せています

阿修羅様 わたしに成りすまし
ありがとうございます
まるで月日を潜ったみたいな思い出を
布団のように敷いて
まるで場末のストリップみたいに
明かりがなにもかもに触ってしまい
脳のしわの産毛まで
生え揃ったような
うれしさです

来世の川もそっくりな大きさで鳴っています
おかしいですね
来世へはなかなか渡れません
死が何やら見計らっているのです

阿修羅様は金の雪で
上手からどうどうと下手へと途切れずに
飛んでゆくのですが
何処かで詰まっているようですね
涼しい緑の長い空虚が
深淵に吊るされています

PS 水子は来世の来世に行くことにしました
炒り卵みたいに掻き回されて
川と同じ音が鳴っています
前世でもうれしい水子でした

 

日付も無い生まれたまま

日付の化石が 何日も 何日も
終わって 止まっている
もうすぐ いっせいに今になると

何日でも 何日でも  
いち日が 硬い その明日が 硬い  
よくじつ 硬い拍手をあびて 名のある川が爆発しよう

今は いまは
呼べない 何日もの 何日が

何日かで 止まって 珊瑚のように色づき
今日のように居すわっている

過ぎる光が なないろ といろ 雲のように 止まっている
星の肌を 枯葉のような なまえで走り かきむしる

待っている日付たちの 止まった目と とまった手が
堰きとめている轟音のような時間を 影に塗る

肌の上の日付 闇の後ろの日付 土の中の日付 遠い日付
立ち去れないという日付

今日の日付がぺらぺらと ぺらぺらと
鏡の声に重なっている
 
名無しの化石はたくさんの日付に埋もれ
卵よりも黄ばみ

終わりの朝
日付もない 生まれたままの化石が
あなたの手に ぶつかった

 

 

 

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