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 もどかしきとき

須永 和彦

私は絵を描いている。それが何だ、と言われればそれまで。だからこそその行為に誇らかでいたい。何しろ正に「それまで」なのだから。未知への扉に接近する方法としてそういった道もあるのである。また私は日本の古典を読んでいる。古事記は通読した。今は萬葉集と源氏物語を中心に。当時の乱世と同じ程のこころの乱世が現代にも通底してあるのだなと思い知らされる。文語文法は大人になってからおさらいはしているものの、実際に原文を読むのは容易ではない。念入りに読み直し読み直ししてゆくと読者(私)の魂が作品の訴えに出会う。だてに代表的古典とされている訳ではないのだ。以前は源氏など狭い貴族社会の色恋沙汰の浮かれ話に過ぎないなどと思っていたが、恐ろしいほど違う。主題は深く、気品がある、何よりも日本語が濃い。萬葉集も萬葉仮名とともに日本文明の至宝だ。絵画制作・古典講読、どちらも自分には重い仕事だけれど、贅沢なありきたりのことなのである。

 

 

 

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