- 『花ひめふみ』 山田 稔
- 木と木の間をぬけた対岸に、給水塔が見える地点で、地面に穴を掘り、穴を赤く飾りました。すぐ隣には紙の桶、掘り出した土を盛りつけました。
水を詰めたガラス管を多数、盛りつけた土に刺して、風と光にさらしました。
訪れてくれた人たちには、性別を変えた名前を小さな短冊に赤で書いていただき、それぞれ桶から貫き出したガラス管の中で水に溶かしてもらいます。その水を、赤く縁取られた初めの穴へ零していただき、おわります。
- 行為としての貴方の思いは、すでにいつも
木々たちとの対話のなかにあります。
貴方がこぼした水のひびきは行為としての
貴方の思いをまとって、光とともに
花ひめふみになりました。
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