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『祈り』 タカユキオバナ
「お元気?」「御陰様で、桜様は?」はからいを感じあいながら過ごすことの豊かさは、自身が健やかなことに謙虚さを失わず、辛いところで喘いでいる命もまた自身であるという眼差しを育みます。この眼差しが光の空も地の闇さえも包みかえしてゆきます。やがてこんなに小さなヒトの内にも全世界が内包されることでしょう。
 もとより万能な何かが限りある幾重にも括られた内で過ごすことから、無限に変幻する切なく美しい響きが醸し出されます。身体を持ってしまったことへの戸惑い、こんな筈ではないと葛藤しているかのようです。
この響きを『祈り』と位置づけました。『祈り』はここで生活する私達の心の状態、自身を呼ぶ声です。そしてこの自身こそ命です。もとよりの万能さゆえに絶え間なく呼び出され、今ここで生きる知恵を見出し続けているのでしょう。全ては『祈り』とひとつになりゆく命の現れとしてあり、始めから私達生命は世界を内包する大きさを内に秘めているのです。

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