『ユメミ』 清水 美智子
サクラ ヒト いずれのユメか ユメミツツ
箱の中に収められた・写真・は、昨年(二〇〇六年)の木
術界において、レンズ付きフィルムで来場者の皆さまに撮影
していただいたものです。今回はこれら過去のユメミの記録、
記憶のひと葉、ひと葉を皆さまに持ち帰っていただきました。
そして、二〇〇七年五月三日〜五日の新たな葉々を加えてい
ただきたいと、同じサクラの木の元に、ふたたびレンズ付き
フィルムを置きました。
サクラとヒトは、同じとき、同じところに居て、ともに何
を見、何を感じていたのでしょうか。
たとえば、サクラとヒトの間にひとすじのかすかな交歓や
交感が生じた瞬間、あるいは両者の命をかたちづくるバリア
がふれて溶けあおうとする一瞬に放たれたエネルギーが、ヒ
トの指先に流れ伝わって、シャッターは押されてしまうのだ
ろうと思っています。
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