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『きみの名をよぶ』 斉藤 典子

 日本で過ごした歳月と、離れて暮らしたそれとが同じ長さ
になった頃から、毎年桜の花が咲く時期、日本へ帰って来る
ようになった。
 花に浮かれ、癒された後、新緑の木と話したことは、地球
のことと、「この国」のこと。
 愛になりゆく人間は、植物の叡智や愛に支えられて、その
意識を変容させてゆく。
 22番の木に、名前を付けた人達それぞれの思いは、地球
の中心に届き、何を呼び出すのだろう。

      サクラの木が放っている光は
      月のようにやさしく
      すべてが幸せでありますようにと
      祈るヒトの
      魂を満たす

 

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