![]() |
一番大事なモノを失ったとき意識が見い出す場所、そこを雪の面型と地図上に記す。戦争で家族を失った深江亮は、戦後ここが住処となった。飲んでも呑んでもやるせない、この亡霊の姿に祈りの欠片を重ねる。連続展『地図帖』の第三話、深江の眼差しにはどんな風景が広がっていたのだろうか。「拠り所を捨てる」という春山清との対談も見逃せない。
12:00〜22:00 |
|
|
|
|
深江亮は既にこの世にはいない。にもかかわらず何故この様な展が成立するかと言えば、彼の息子が深江亮を名乗り、深江の記憶を呼び出しているからである。
|
|
行為する側と行為される側、面型は、その行為の痕跡をくっきりと残して深江に迫る。戦争という極限状態での加害者と被害者、深江は、戦地において何らかで人を殺したに違いなかろう。一方、深江の愛する家族は、東京大空襲において娘一人を残して四人が他界した。やり場のない想いが永久に溶けることのない雪の面型を蹲り背負うというかたちで象徴されている。 |
|
戦争さえなければ、この面型の意味は全く別のものになっていたことだろう。否応なく国家権力に翻弄された深江の個人史地図を戦後六十一年目に深江の息子深江亮と辿ることになった。 タカユキオバナ |
|
このホームページに関するご意見ご要望はこちらへ