SPACE-U

「Me's」
鏡 閑
「Me's」は、井戸に見立てた大きな種であった。井戸を覗くことは自身の内面を辿ることに他ならない。宇宙開闢まで遡ることが出来る。この歴史が育んだ種(命)は、未出現を内包し、萌芽しようとこの時を待っていたかのようである。井戸は三界の層に封印され、それぞれの界を十六等分に区切っている。これらの界は、おとずれた参観者によって開かれるので、その関わりによって成長する。因みに最初の層は言葉によって界を開くようにと鏡は指示している。最初にこの種を発芽させたのは春山清であった。その言葉は、。愛によって開かれた界には五種類のカプセルで記号化された世界が広がっていた。この内からカプセルを自由に持ち帰ることが出来た。鏡自身の表現の歴史を詰め込んだものだと聞いているが、そのテーマはたいてい意識と宇宙のことであったと思う。カプセルがなくなると次の界を開くことが出来る。二層目の界を始めに開いたのは、江尻久美子である。この界には、淡いコバルト色に近い組み紐の渦巻が広がっていた。その中心からは赤い光線が天を目がけている。渦巻は、江尻によって引き出され天に伸びていった。この下にもう一層広がっているのだがこの界はヒトの力では開くことができないということだろう。

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