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「未言」
須永和彦
「未言」は、須永和彦宛に届いた詩や文書などを持ち込み朗読するという。
以下は、本人から寄せられたメッセージである。
ユーで始まっている『命』。形而下では、私は、<未言ミコト>というタイトルのみの出品である。(しいていえば、透明アクリル棚も含まれるか。)
会期中、時をみはからって、若いときにとりつかれたように読み込んだ、自分の言語感覚に大きく影響をおよぼした詩などを朗読させてもらい、少し何かしゃべり、人の話を引き出してみたい。
だが、人が何をしゃべり、どんな話を聞こうと、言いたいことは一つ、聞きたいことは一つなのである。それは、純粋・無条件に契られる一回限りの「意味」である。話されたり記述されたりする、いわゆる言語の意味と私の謂う「意味」は原理的には無関係だ。純粋・無条件な一回限り結ばれた「意味」はそもそも述べることが不能なメカニズムにある。試みにそれを述べんとしてみよう。<イキテル?・・・ウン。>・・・これくらいしか例にできない。
言(コト)がまじわされる時、生と生は互いの沸点に均衡する。外国語であっても関係ない。
暗黙のサインでしみこまれるように分かり合える、結ばれ続け生成し続ける、純粋な「意味」、魂のふるえ。それは地球生命のエネルギー源でさえある。
言葉にはもはや拘泥されない。話しても聞いても書いても読んでも感じさせても感じても、そこに関わるのは純潔に<未言>。ミコトとミコトの出会い、そうつねに<未言>なのだ。                               かずひこ

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